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準角地・二方路地等:嶋内雅人のブログ

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角地は、街路の一面が接する土地(中間画地)に比べて住宅地・商業地・工業地のいずれの場合も価格が上昇します。今回は、それ以外の土地について考察してみます。

1.準角地
L字状に曲がった街路の内側にある土地を、準角地といいます。角地ほどではないですが、中間画地に比べて準角地も価値が上昇します。

住宅地では快適性、商業地では繁華性、工業地では原材料・製品の搬出入の利便性が優ります。ただし、街路の連続性や通行量の店では、通常の角地よりも条件がやや劣ります。

このため、角地と準角地との格差は、通行量が特に価格形成に重要な影響を及ぼす商業地について相対的に大きいと考えられます。

もちろん、住宅地や工業地でも若干の格差は生じますが、商業地に比べれば効用の点での格差は少ないと考えられます。

なお、角地と同様に建ぺい率が10%増加します。

2.二方路地
正面と背面の二方の道路に接している土地を二方路地と呼びます。このような土地も角地とは区別されます。街区の角ではなく、背面に道路が接しているからです。

二方路地も、中間画地に比べて効用が優れることは明らかです。ただし、背面に接する街路の幅員が著しく狭かったり、単なる通路にすぎない場合は別です。

二方路地が効用の面で優れる理由は、角地・準角地の理由と同様です。ただし、増価の程度は角地よりも低くなります。

例を挙げれば次のとおりです。住宅地では眺望の点で角地ほどのメリットはありません。商業地では、通行量や繁華性は角地ほどではありません。工業地の場合も、搬出入は角地の方が優ります。

二方路地も建ぺい率が10%増加します。

3.三方路地・四方路地
三方が街路に接している土地を三方路地といい、四方が街路に囲まれた土地を四方路地といいます。

角地に比べると、三方路地は街路にさらに一面多く接することから、その分だけ効用が増加します。四方路地はさらに増加します。

ただし、このような傾向は商業地では顕著ですが、住宅地・工業地はそれほどではありません。

住宅地については、騒音やプライバシーの保護の点ではマイナスに働くからです。工業地については、敷地内の移動はもっぱら車輛によるため、それほどの効用増はないからです。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


故事成語のひとつに「朝三暮四」があります。

サルにトチの実を与えるのに、朝3つ夕に4つと決めたところ、少ないとサルが抗議しました。そこで、朝を4つ夕3つとしたら、サルが喜んだという話がその由来です。

そこから、「目前の違いにばかりこだわって、同じ結果となるのに気がつかないこと」「口先でうまく人をだますこと」を意味します。

いや、不動産鑑定士である私からすると、これは間違っていますね。

不動産鑑定の手法の一つに収益還元法があります。将来の収益を、割引率を用いて現在の収益に割り戻すのです。

手許にある1万円と1年後に受け取れる1万円とは、同じ価値ではありません。1年後なら利子が発生している可能性があります。また、その1万円を確実に手にすることができるわけではありません。

1年後の1万円の価値を現在の価値にするには、割り引く必要があります。ですから、1万円よりも低くなります。

そうすると、朝3つ夕4つと、朝4つと夕3つとでは、先に確実に4つを受け取るほうが価値が高いことになります。

サルが利口ですね。