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更地の評価(CADを活用):嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12814543757.html

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│1│ 今回の評価実例:更地の評価(CADを活用)
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CAD(キャド)というパソコンソフトがあります。パソコンで、図面を描くソフトです。CADを使わない(使えない)不動産鑑定士が大多数なのですが、私にとってはCADは不可欠です。

CADを使って作成した不動産鑑定評価書は、信頼度が格段に向上すると私は考えています。

面積が大きい土地ほど単価が下がる傾向にあります。では、この土地の単価がどれほど下がるのか、図面を添付すれば十分に説明ができます。

今回の対象不動産は、東京23区にある土地です。ある大企業が所有している社員寮をある学校法人が買うことになりました。

社員寮の建物は老朽化していてこれ以上使用するのは困難なため、土地のみを買います。その大企業の経理処理のために、不動産鑑定評価が必要になったのです。

周辺の住宅地の土地と比較してかなり面積が大きいため、不動産開発業者が購入し区画割りして建売住宅の敷地とするのが最有効使用です。

このような評価方法を開発法といいます。

この区画割図を作成するため、CADを使いました。

私の評価額で売買が行われ、取引は無事終了しました。


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│2│ 不動産鑑定評価の知識:不動産鑑定評価制度の概要2
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不動産には全く同じものが存在しないという性質が不動産の個別の価格に決定的な影響を与えます。

このように、①新たに生産できない②「全く同じものが存在しない」という特性があるため、その情報にも不完全性が生じて一般の財のような時価を形成する効率的な市場の成立は困難となります。

しかし、きわめて不完全でありながらも不動産には取引市場があり、どのような種類の不動産であるかによりその市場を異にすることになります。

このように、不動産の取引市場が不完全であるため、不動産鑑定評価が必要になります。

それゆえ、1963年に「不動産の鑑定評価に関する法律」が制定されました。

当時の立法主旨は、概ね次のとおりです。

地価高騰の原因として、需給両面の要因のほかに、土地特有の性格によって生ずる地価の合理的な形成の困難さがあり、特に適正な地価に関する情報不足が地価の合理的な形成を妨げ、はなはだしくこれを混乱させる原因となっているという認識のもとで、不動産鑑定評価制度の意義を土地特有の性格に起因する現実の地価決定の不合理性を極力排除して、地価形成の仕組みに合理性を与えようとする、いわば土地の流通対策というべきものであると指摘するとともに、公共用地の取得等における公正妥当な補償額の算定に資することを通じて、公共用地取得の適正化・円滑化をも意図するものであるとしています(櫛田光男・大石泰彦編(1971年)、「土地問題講座 2土地経済と不動産鑑定評価」、鹿島出版会)。

このように、高度経済成長期にあって土地価格が高騰を続けていたことや、公共事業をが拡大しつつあったことが背景にありました。


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│3│ 編集後記
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伝言(永六輔)より

「商品名は、旧国名のほうが売れます。
 宮崎牛は日向牛。
 岩手せんべいは南部せんべい。
 石川料理よりは加賀料理。
 ……いろいろあります」

そう、いろいろありますね。逆に現代都道府県名での商品名を考えてみると。

讃岐うどんは香川うどん、伊予柑は愛媛柑、信州そばは長野そば、美濃和紙は岐阜和紙、江戸切子は東京切子……

売れそうにありませんねえ。