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実地調査2:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

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建物を建てる予定の土地が平野部にある場合でも、地盤についてチェックすべきです。

まず、意外かもしれませんが、植物が安全な地盤の見分ける目印となります。土地に生育する植物は、その土地がどのような時を過ごしてきたかを物語ります。

植物には、一年草と多年草とがあります。一年草とは、一年の間に芽吹いて花を咲かせ枯れてしまう植物です。他方、多年草は一年以上生き続けることができる植物です。

一年草の割合が大体90%に達する土地は、最近裸地になった土地です。ですから、盛土をした土地で、夏場にエノコログサ(ネコジャラシ)が茂っている土地は、新しい土地と考えてよいでしょう。

他方、一年草の割合が10%程度で、敷地の橋の方にヨモギ、人通りのあるところにオオバコ等の多年草が見られれば、この土地は相当の期間放置されたものであることがわかります。

また、周辺を水田に囲まれた造成地は、以前は水田だった可能性が高いでしょう。

同様に、水路が整然と配置されている土地も、かつては湿地帯だった可能性があります。

そのような水路は水田への農業用水としてつかわれていたものが多いですから、現在は周辺に水田が残っていないとしても、軟弱地盤が厚いことが想像できます。

さらに、その土地の周辺の地下に空洞がないことも確認しましょう。

防空壕や井戸・浄化槽などの空洞は、盛土や建物の荷重が上からかかれば崩壊しやすくなります。また、一度崩壊すると周辺の地盤に影響し、不同沈下の原因になります。

かつて産業廃棄物処分場だった場所も要注意です。

産業廃棄物処分場に積んであった石・コンクリート片・木材等のガラを撤去しないで埋め土をし、宅地として造成された事例も、かつては多くありました。

大きな石やコンクリート片の間には隙間が発生しやすく、木材は年月とともに腐食し、そこに空洞が生まれます。その結果、地中に硬い部分と軟らかい部分が混在することになります。そこに重い建築物がのると、地盤が不同沈下を起こします。

このような工法は現在では違法です。しかし、地盤について今ほどの知識がなかった時代には、当たり前の造成方法ですので、こうした土地も避けたいものです。