地下埋設物:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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地下に何かが埋まっていたら。金塊ならば大歓迎ですが、それ以外のものだと土地の価格はどうなるのでしょう。
コンクリートのような堅いものが埋まっているとします。平らなものが、しっかりとした地層に緩みなく水平に埋まっていれば、基礎の一部に使えるかもしれません。
しかし、そのコンクリートの面が平らでなく突起があったり、斜めに埋まっているような場合には、困った事態が発生します。不同沈下です。
不同沈下とは、建物が一様ではなく斜めになって地面に沈み込んでいく現象です。机の上にボールペンを置き、その上に本を載せてみてください。当然、本は傾きます。建物がこのような状態になるのが、不同沈下です。
建物がこのような状態になると、建物に不具合が生ずるのはもちろん、めまいや頭痛の原因になったりもします。
また、地下にやわらかいものが埋まっていても不同沈下の原因となります。建物のうち、やわらかいものの上にある部分だけが沈下するからです。
このように、地下に埋設物がある場合には、それを除去して土で埋め戻さなければ、建物を建てることができなくなります。
この場合の土地の価格は、何も埋まっていないとした場合の土地価格から、次の金額を差し引いた価格を、埋め戻した土が落ち着くまでの期間によって修正した価格になります。
差し引く金額は、埋設物を除去・搬出・処分するための金額と、埋設物のあったところを埋め戻すための土壌の取得費・運搬費・工事費です。
さて、地下埋設物で思い出すのが、例の森友学園です。更地価格から、ゴミの撤去費用や埋め戻し費用等を控除するのは、理にかなっています。しかし、いかにもそれらの費用が大きすぎました。
森友学園の敷地面積は8,770㎡、そのうち5,190㎡にゴミが埋まっていたとしています。
その撤去費用の総額は8億1,900万円、158,000円/㎡程度です。他方で、その土地の2017年の相続税路線価は145,000円/㎡です。単価を求めてみると、どれだけ異常な金額かよくわかります。
このようなことで不動産鑑定が世に知られるとは、やりきれない思いがあります。救いは、不動産鑑定士は適正に評価していたことで、更地価格からそのいいかげんな工事費相当額を控除して鑑定評価額を求めていなかったことです。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
今回のメルマガを作り始めてから気がつきました。今回で節目の100号に達しました。
どこまで続けられるか不安な部分がありましたが、発行を始めてから4年余り、やっとここまできました。
どのようなことを書くか、予め考えていたのは確かですが、話題を探すのには苦労することもありました。
読者の皆様に支えられての100回です。これからもご愛顧ください。
と、通り一遍のことを書きました。節目の編集後記は書くのが楽ですね。くさやの話がうけて以来、本文よりも編集後記を先に読むようになったとの声が聞こえてきました。
読まれていることを意識すると、面白いことを書かなければならないというプレッシャーがかかります。本文よりも悩むことが多々あります。
しかし、今回はあっさり書けました。ハイ。