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国立公園内の別荘地、保養には最適ですね!ところが、こんな土地には別荘を建てることはできません。
◎事件の概要
1973(昭和48)年に、Xは不動産業者Yから別荘用地を購入しました。契約にあたり、農地法による制限については説明を受けていました。
ところが、購入後、その土地が国立公園の特別地域にあることがわかりました。
そこで、Xは詐欺を理由に代金の全額返還を求めてYを訴えました。
(東京地判昭53.10.16)
◎判決
詐欺を認めて、代金の返還を命じました。
◎解説
自然公園法による自然公園には、国立公園・国定公園・都道府県自然公園の3種があります。
この土地があった特別地域は、国立公園または国定公園の風致を維持するため環境大臣が指定する地域です。
特別地域(特別保護地区を除く)内では、国立公園にあっては環境大臣、国定公園にあっては都道府県知事の許可を受けなければ、次の行為をすることができません。
① 工作物を新築・改築・増築すること
② 木竹を伐採すること
③ 鉱物を採掘または採取すること
④ 河川・湖沼等の水位または水量に増減を及ぼさせること
⑤ 広告物の掲出または設置
⑥ 水面の埋立または干拓
⑦ 土地の開墾その他土地の形状の変更
⑧ 高山植物その他環境大臣が指定する植物の採取
⑨ 屋根・壁画・塀・橋・鉄塔等の色彩の変更
⑩ 道路・広場・田・畑・宅地以外への車馬の乗り入れまたは航空機の着陸
これでお分かりのとおり、別荘を建築することはほぼ不可能です。環境大臣や都道府県知事は許可しませんから。
これらの規定に違反した場合には、現状回復命令が発せられます。
しかも、この土地は、文化財保護法の名勝にも指定されていました。
この場合は、現状を変更し保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければならないとされています。違反した場合には、文化庁長官は原状回復を命ずることができます。
つまり、いずれにしても別荘を建築することはできませんでした。
裁判所は「告知すべき義務があるにもかかわらず、ことさら沈黙して、これらの事実を告知せず、買主の誤信を解くことなく買受けの意思表示をさせたものである」として、「詐欺によるもの」と判示し代金相当額の支払いを命じました。
◎不動産鑑定の見地から
その土地に建物を建てることができるか否かは、その土地の価値を大きく左右します。建物を建てることができない特別地域を見逃してしまうと、誤った価格を求めることになります。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
寿司ネタというと魚だったのは、もう昔のことなのでしょうね。最近はアボカドが定番になってきました。
アボカドは「森のバター」と呼ばれるそうです。でも、寿司ネタとして使われるのですから、「森の大トロ」がふさわしいのでは。
同様の言い回しで昔からあるのが、「畑の牛肉」。大豆のことですね。でも、最近はあまり使われないように感じます。
牛肉より高そうなものには「畑のキャビア」があります。トンブリのことです。
では、本物のキャビアというと、当たり前ですが「海のダイヤ」だそうです。
ここでわからないのが沖縄の海ぶどうです。ツブツブのあるこの海藻のことを「海のキャビア」とするのはどうでしょう。まあ、チョウザメを淡水性とすれば矛盾はないのですけど。
でも、それをいうなら「海のトンブリ」でしょうね。
https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12615982265.html
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