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不動産鑑定評価がどのような局面で活用できるか、実例を示して解説します。
今回は不動産証券化の評価です。
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│1│ 今回の評価実例:不動産証券化の評価
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不動産の現物を売買することは、よく行われます。その一方で、不動産を信託し信託受益権を売買することもあります。
不動産証券化の評価はその際に行われます。信託受益権を投資家が引き受けることによって、不動産の所有者(オリジネーター)が資金を調達します。
証券化される不動産は、一定以上の評価額でなければなりません。普通の戸建住宅が証券化されることはあり得ません。
証券化の対象となる不動産は、一定規模以上の共同住宅・事務所・店舗・流通センター・ホテル等です。ヘルスケア施設の証券化も一般的になってきました。
証券化の評価では、収益価格それもDCF法を適用した収益価格がそのまま鑑定評価額になります。
DCF法とは割引現在価値法とでも称すべき手法で、各年の純収益を現在時点に割り戻した価格と、将来の売却価格の現在価値との合計額を求めるものです。
エクセル等のパソコンソフトが普及することによって誕生した手法です。
私が評価した経験によると、土地価格は相続税路線価をはるかに上回る水準になります。
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│2│ 不動産鑑定評価の知識:価格の種類
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不動産鑑定評価では、価格または賃料を求めます。価格は元本、賃料は果実にあたります。今回は、価格の種類についてご説明します。
価格の種類は以下のとおりです。
正常価格
市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいいます。
理想的な市場があるものとした場合に成立する価格です。通常の鑑定評価では、正常価格を求めます。
限定価格
市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格をいいます。
隣の土地を買う場合には、事情によっては正常価格よりも高くなることがあります。また、土地を分割す場合には、正常価格よりも安くなることがあります。このような場合に成立するのが、限定価格です。
特定価格
市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいいます。
証券化不動産の評価で求める価格が該当します。
特殊価格
文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格をいいます。
文化財の指定を受けた建造物の評価で求める価格です。私は特殊価格を求めたことはありません。
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│3│ 編集後記
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ボケない知恵(永六輔)より
「東京空襲のB29がやたらにアルミ箔をまいたのは、レーダーがあると思ったからなんだってさ。日本軍はレーダーなんて知らないから、どうしてアル ミ箔をまいているんだかわからなかったんだって……」
神奈川県横須賀市にある猿島には、日本海軍の高角砲が設置されていました。
アジア太平洋戦争に備えた8センチ高角砲の射程は7,000メートルでした。ところが、アメリカ軍の飛行機が飛ぶのはそれよりはるか上空の1万メートルでした。届かなかったのです。
空襲にさらされる庶民は、防空法によって竹やりやバケツリレーで対抗せよと時の政府から強制されました。できるわけありません。1945年3月1日の東京大空襲では下町が火の海になりました。
防空法は、退去することを禁じてもいました。終戦直前の同年7月28日から29日、青森大空襲という惨事がありました。
アメリカ軍は空襲前にビラをまき、警告しました。しかし、憲兵隊や警察はそれを読むのを禁じ、回収しました。一部の人しか知り得ませんでした。
さらに、青森県知事は退去を禁じていました。その結果、1767人もの命が奪われたのです。
いかに当時の権力が異常だったか、象徴的な出来事だと思います。
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