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新築ペンションの雨漏り:嶋内雅人のブログ

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建物は雨や風を防がなければ、その効用はありません。もし、雨漏りがする建物だったらどうなるか。判決をみてみましょう。

◎事件の概要
静岡県の伊豆高原でペンションを経営するために、Xはツーバイフォー工法のペンションを建築することを建築業者Yに依頼しました。

その建物は1984年に着工され、翌1985年に引き渡されました。ところが雨漏りがするため、XはYに損害賠償を求めました。
(東京地判平成3.12.25)

◎判決
Yには瑕疵担保責任及び不法行為責任があるとして、上部の躯体をすべて取り壊して補修工事をすることを命じました。

◎解説
上部の躯体をすべて取り壊すのですから、やり直しということです。

本件の雨漏りの原因は、土間コンクリートの布基礎と木材との間の水切り処理が不良であることでした。

特に、梅雨時の強い雨のときには、床にも雨水が侵入しました。さらに、畳が腐食します。その腐食した畳が悪臭を発生させます。

新築のペンションには、まだ固定客がいません。それだけ、好印象を与える建物であることが、売り物になります。

ところが、上記のような状態だったので、裁判所は「建築工事には、建築上の初歩部分について瑕疵がある」と判示しました。そして、「床組構造の設計ミス、雨仕舞、断熱、防水工事について、施工、監理のミスがあった」としました。

建築業者には、瑕疵担保責任だけではなく不法行為責任もあるとされました。

皆様ご案内のとおり、不法行為責任とは、自分の行為が他人に損害を及ぼすことを知っていながら、故意に違法な行為をして他人の権利や利益を侵し、損害を与えた者は、その損害を賠償しなければならないという民法の規定です。

また、不注意、つまり過失によって生じた行為についても同様です。

本件では、裁判所は瑕疵担保責任と不法行為責任を認めて、補修工事の費用等4,064万円の支払いを命じました。

◎不動産鑑定の見地から
私も、欠陥のある建物とその敷地である土地の評価をしたことがあります。そのときの建物は新築後かなりの年数が経過していましたので、土地の価格からその建物の取り壊し費用を控除した金額を評価額としました。

新築の建物ならば、本件のように補修費用を控除した評価することになります。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


ロシアがウクライナに侵略してから、すでに半年余りが過ぎました。戦争が終わるのは、まだ先になりそうです。毎日多くの人の命が奪われていることに、胸が痛みます。

ロシアは、原子力発電所を攻撃することによって戦況を有利に運ぼうとしているようです。チェルノブイリ原発に続き、ザポリージャ原発にも攻撃を加えました。

日本の原発が立地する地域でも、原発に軍事攻撃が加えられた場合の被害について不安が広がっているようです。2011年に東電福島第一原発の事故を経験しているのですから、当然です。

でも、私は疑問に思います。そもそも日本の仮想敵国は日本海側にあります。旧ソ連・中国・北朝鮮です。

それに対して、日本海側には原発が多く立地します。北海道の泊、新潟県の柏崎刈羽、石川県の志賀、福島県の大飯・美浜・敦賀・高浜、島根県の島根、佐賀県の玄海。

なんで、わざわざ敵国の目の前に原発を建設するんだか。攻撃してくれと言わんばかりです。

実際、北朝鮮による拉致被害者の多くは、日本海側から連れ去られています。

蓮池薫さんらが拉致された場所は、柏崎刈羽原発から10㎞も離れていません。地村保志さんらは、福井県小浜市で拉致されました。小浜市が面する若狭湾は、原発銀座です。

日本海側には、北朝鮮の工作員が容易に上陸できるのですね。リアス式海岸が続く能登半島の漁村では、見知らぬ人が歩いているのをみかけることが時折あるとか。

それでも、日本は原発を建設し続けました。仮に工作員が日本に不法入国したとしても原発を攻撃しない、そう考えていたのでしょう。でも、上記の国々への危機感をあおる。

おかしくありませんか?

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