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更地の評価(社会福祉法人の購入価格の検証):嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12814542936.html



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│1│ 今回の評価実例:更地の評価(社会福祉法人の購入価格の検証)
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原則として建物を建てることができない市街化調整区域であっても、社会福祉法人が施設を建てる場合には開発許可を受けることができます。

これを悪用して、資産家が自分の所有する土地を自分で設立した社会福祉法人に売却して、建物の建たない市街化調整区域の土地を現金化する場合があります。

社会福祉法人の土地の購入資金は、自治体からの補助金です。補助金が、そのような資産家の懐に入ることになります。

今回の評価は、その社会福祉法人の監事からの依頼でした。理事長である資産家が、所有する土地を不当に高く社会福祉法人に売却しているのではないかと疑念があるとのことです。

評価したところ、明らかに高い金額であることがわかりました。監事たちは理事長=資産家を諫めて是正するように求めたのですが、理事長=資産家は耳を傾けようとはしません。

そうこうしているうちに、県の監査があって不正が明るみに出ました。理事長はその地位を追われることになってしまいました。


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│2│ 不動産鑑定評価の知識:不動産鑑定評価とは1
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不動産鑑定評価とは、「土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること」(不動産の鑑定評価に関する法律第2条第1項)です。

つまり、不動産の鑑定評価は不動産の経済価値を金銭で表す行為全般を指します。

ですから、取引当事者が取引の対象となっている不動産について主観的に値付けをすること、宅地建物取引業者が取引の仲介等の一連の業務のなかで売買価格等を設定するために価格査定を行うこと、顧客に対し値付けに関してアドバイスすることも、広い意味では不動産の評価であるといえます。

ただし、不動産の鑑定評価に関する法律では、これら仲介等における価格査定や建築士の建物価格査定等は、不動産の鑑定評価からは除外されます。

「他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行うこと」が「不動産鑑定業」と定義され、不動産鑑定士(不動産鑑定士補を含む)以外の者が鑑定評価を行ってはならないとされています。


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│3│ 編集後記
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大往生(永六輔)より
「♪村の渡しの船頭さんは/今年60のおじいさん
 ……いやな童謡だねェ」

この歌がつくられたのは、1941年です。それより後の1950年の日本人男性の平均寿命は59.57歳です。なるほど、60歳ではおじいさんです。

チェーホフの「三人姉妹」には、「60歳過ぎたら、おいぼれだ」という台詞が何回も出てきます。さらに82歳の老女を「くたばり損ない」とも言っています。

チェーホフは1860年に生まれ、1904年に結核が原因で没しています。44歳でした。1950年のロシア人男性の平均寿命は62歳~63歳でした。それより前のチェーホフの時代はそうだったのでしょう。

でも、今の日本では82歳は平均寿命ですね。

私は、今年64歳のおじいさん。