地盤の液状化3:嶋内雅人のブログ
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地震によって起きる現象の一つが液状化です。液状化によって地盤が沈下することは、古くから知られていました。沈下の程度は、建物がない地面では最大で60cm程度といわれています。
さて、現在では沈下だけではなく、地盤が横滑りすることがわかりました。これを側方流動といいます。側方流動は、数mにも及ぶことがあります。
1964年の新潟地震では、信濃川沿いの川岸町にあった新潟明訓高校で、液状化によって激しい噴砂がおこり、横約250m・縦約150mの範囲が最大で7mほど川の方に流動したことがわかりました。その流動によって生じた亀裂が校舎を横断し、渡り廊下のところが分断されました。
他方、そこから信濃川沿いに1㎞ほど下ったところにあった昭和大橋は、地震後しばらくしてから橋げたが将棋倒しのように倒れ始め、ついに落ちてしまいました。
このとき、橋の周辺の砂の地盤が激しく液状化したため、川床の地盤が橋もろとも川の中心部の低いほうに向かって流動しました。そして、杭に支えられた橋げたの間隔が開いたために橋が落ちてしまったと推測されています。
橋の修復工事のときに、鋼管の杭が川の中心に向かって押されたかたちで曲がったり傾いたりしていることが確認されました。
新潟地震からおよそ20年が過ぎ、日本の研究者のグループが航空写真を使って地盤の側方流動量を精度よく求める方法を考えだしました。地震の前後の写真から動いた量を計算するのです。
これにより、新潟地震での新潟市や日本海中部地震での能代市などで、液状化した地盤が広範囲に側方流動していることが明らかになりました。
この航空写真による調査により、新潟地震では川沿いのように明らかに高低差があるところでは、川幅が大きく狭まるほどの最大で10mもの側方流動が起きていたことがわかりました。
さらに、川沿いではなく高低差もほとんどない新潟駅周辺では、液状化によって建物が沈下したり傾斜したりしました。さらに、4mを超える大きな側方流動もおきていました。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
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