地盤の液状化5:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ|新着情報

NEWS

TOP > 新着情報 > 地盤の液状化5:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

地盤の液状化5:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12821869315.html

自然現象と人間社会の接点で、災害が発生します。地震も火山の噴火も地球にとってはごく当たり前の自然現象です。しかし、これが人間の社会と衝突したときに災害として私たちにふりかかってきます。

近年の日本で発生した地震災害を振り返ると、開発の進展とともに人間の生活圏が自然の領分に深く踏み込んだため、災害の規模が大きくなったり、新たな災害を誘発したりしている例が多くみられます。

1978年の宮城県沖地震や、1993年の釧路沖地震のときには、仙台市や釧路市の周辺の丘陵地で、盛土によって造成した宅地の斜面が崩壊し、多くの住宅が全壊するなどの損傷を受けました。都市周辺の開発が招いた人災といっていい原因が招いた大きな災害でした。

地震に伴う地盤の液状化による被害も、埋立てによって造成した人工の地盤で集中的に発生しています。

1964年の新潟地震では、新潟市内の各所の地盤が液状化し、ビルが傾いたり、道路に亀裂や段差が生じたりするなど、大きな被害を発生させました。このときに液状化被害があったところは、信濃川の旧河道に見事に一致しました。

つまり、かつてはゆっくりと蛇行していた信濃川の流れを、堤防を造ることによって内側に押し込め、また流路を埋め立てて新しい街づくりを進めたところに被害が集中したのです。

1983年の日本海中部地震は、秋田市や能代市で、沼や湿地を埋め立てて造成した新興住宅地で液状化被害を発生させました。

また、1993年も釧路沖地震や1995年の兵庫県南部地震は、港湾地帯の埋立て地盤で液状化被害が発生しました。特に兵庫県南部地震では、神戸港の岸壁などの被害が著しく、港の機能が麻痺しました。

これらの液状化被害に共通しているのは、埋立という行為によって、液状化を起こしやすい条件の地盤を人間が造ってしまったといくことです。

人間が環境を改変させたことが、思いもよらない災害を頻発させるようになったという事実は、これからの国土開発に向けての重大な警告といえるでしょう。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


やや時間が経ってからのご報告ですが、税経新人会全国協議会の第58回仙台全国研究集会が9月8日・9日に開催され、無事終了しました。

分科会は5つ。私は神奈川税経新人会担当の第5分科会「相続税不動産評価の問題点」で発表しました。

実際、相続税路線価をはじめとして、相続税における財産評価基本通達には色々な問題点があります。これらについて、実例を示しながら発表しました。

国税庁はマンション評価について通達の改正案を公表しています。これについては税理士さんが発表し、私がコメントを加えました。

このコメントだけで、記事が一つ書けそうです。いずれ発表したいと考えています。