活断層:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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今回は、地盤と安全な土地の話です。
東日本大震災から12年6カ月が過ぎました。いまだに、二十数万人の方が住み慣れた土地に帰ることができずにいます。心の痛む事態がまだ続いています。
さて、東日本大震災によって、日本中の活断層が活発化したといわれています。活断層とは、活動していて今後も動く可能性が高い断層のことです。
では、まず断層についてみてみましょう。地殻が変動することによって地殻に割れ目ができ、これに沿って生じた地層や岩石のずれを、断層といいます。正確には、それによってずれた地層の面のことをいいます。
その地層を断ち切って断層を作るのが、大きな力の働く地殻変動です。地殻変動の原因はいくつかあります。日本の場合は、いくつものプレートが重なってぶつかりあっているという考え方や、地下深くのマグマの運動が原因だという考え方等があります。
特に激しい地殻変動帯に位置する日本列島では、いくつもの地質時代を経て形成されてきました。そのうち、最も新しい時代の「新生代第四紀」(約180万年前以降)に何度か繰り返して活動した断層を活断層と呼びます。
今後も動く可能性が高いというと、明日にでも動いて地震を起こしそうな不気味なものにも思われます。しかし、日本の活断層の大部分が、数百年から数千年に一度ほど動く程度です。ですから、それほど激しく動くものではないと考える地質学者もいます。
しかし、日本にある活断層で確認されているものは約2,000本です。首都圏などまだ調査が完全にできていない地域が多いため、5,000本程度あるのではないかと推測されています。
5,000年間に5,000本の活断層が動く可能性があるとすると、一年に一度の割合でどこかの活断層が動くということになります。
1995年に起きた阪神淡路大震災では、野島断層が動きました。そして、この断層の上にあった家屋は全壊しました。活断層の力に対抗することはできません。避けるしか対処はできないのです。
しかし、その活断層がどこにあるのか。上記のとおり調査が完全に済んだわけではありませんので、活断層の真上に住んでいる人たちがいるのかもしれません。