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地価公示:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12077735524.html

今回は、不動産用語の話です。地価公示について取り上げます。


3月下旬になると、国土交通省が公示価格を公表します。公示価格とは、標準地という決められた土地の1月1日現在の現在の価格です。

標準地を評価するのは、地価公示評価員である不動産鑑定士です。一つの標準地を二人の不動産鑑定士が評価します。それを取りまとめて公示するのが、国土交通省の土地鑑定委員会です。

地価公示法第1条は、公示価格の目的を定めています。いくつかありますが、その第一として「一般の土地の取引価格に対して指標を与え」ることが規定されています。要は、一般の人が土地の売買をするときに、その付近の標準地の公示価格をみて、これを参考に売買価格を決めるようにするためということです。

また、相続税路線価は公示価格の8割、固定資産税路線価は公示価格の7割の水準で付設されています。

公示価格は、官報で公示されますが、もちろんウェブでも調べることができます。次のURLをクリックし、国土交通省の土地総合情報ライブラリーをご覧
ください。

http://tochi.mlit.go.jp/kakaku/chikakouji-kakaku


ここからは、公示価格の読み方について説明します。

一番上に標準地番号があります。住宅地の場合は、「市区町村名-番号」となっています。商業地は「市区町村名5-番号」、工業地は「市区町村名9-番号」です。

所在及び地番は、登記のものです。登記の地番と住居表示が異なる場合には、住居表示も記載されます。

調査基準日は、毎年1月1日です。価格は、1㎡単価で表されます。

公示地の地積は、その標準地が存する地域の標準的な面積です。標準的な面積の土地が、標準地に採用される訳です。相続税評価に広大地を適用することがありますが、その場合の標準的な面積はこれを採用します。

形状は、間口と奥行きの割合を示します。面積を奥行きで割って、その平方根をとれば、大体の間口がわかります。

利用区分、構造のところにアルファベットのWやSがあります。Wは木造・Sは鉄骨造・RCは鉄筋コンクリート造・SRCは鉄骨鉄筋コンクリート造を表します。

利用現況は、その建物の用途です。周辺の土地の利用現況は、標準地の周辺の地域の概況です。

前面道路の状況は、道路の方位・幅・道路の種別を表します。その他の接面道路に記載がある場合は、その標準地は角地や二方路地等です。通常は、一方の道路にのみ面する中間画地が標準地となります。

給排水状況は、都市ガス・上水道・下水道の整備状況が記載されています。交通施設、距離は、最寄駅とそこからの距離です。

用途区分、高度地区、防火・準防火は、この通りです。森林法、公園法、自然環境等は、都市計画法の規制以外に重要な規制がある場合に記載があります。

建ぺい率とは敷地に対する建物の建築面積割合、容積率は敷地に対する建物の延面積割合で、都市計画法で定められています。

都市計画区域区分に(都)都市計画区域とあると、都市計画区域内ですが用途地域は無指定という意味です。

筆者の自宅近くの地価公示標準地の「周辺の土地の利用状況」は、「中小規模一般住宅が多い住宅地域」となっていました。なるほど、当たっていますね。