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免震と制震:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

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免震ゴムの不正が話題になっています。

今回は地盤と安全な土地がテーマですが、この話題に関連して、建物を地震から守る方法を取り上げます。

これには、「免震」と「制震」があります。免震構造は、地震力が地盤から建物に入らないようにする構造です。これに対し、制震構造は、建物に入った地震力を吸収して揺れを抑える構造です。

◎免震構造

免震とは、地盤と建物との間に免震装置を設置して、地盤と建物とを絶縁することにより、地震力から免れることです。免震システムは、アイソレーターとダンパーで構成されています。

アイソレーターは、建物と地盤とを完全には切り離さずに、建物の振動の固有周期を伸ばす装置です。普段は建物や床の重量を支えていますが、地震のときは水平方向に変形して建物や床の振動の周期を長くします。

それによって、地震波と共振することを避けて加速度を減少し、最後にはもとの位置に戻す働きをします。薄層ゴムと鋼板を交互に挟んだ円柱形の積層ゴムが一般的です。

ダンパーは、振動エネルギーを吸収して揺れを抑える装置です。建物が大きく変形しないように制御するとともに、地震による振動が早く収まるようにエネルギーを吸収する機能を持ちます。

◎制震構造

制震とは、建物の内部に制震機構を組み込み、地震エネルギーを吸収することで地震力を低減することです。これには、次のような種類があります。

○アクティブ制震

機械や構造物が振動した場合、早い段階で今後の振動運動の特徴をコンピューターで予測します。次に、その振動を抑制するように逆向きの振動力をアクチュエーターという装置によって与え、振動を互いに打ち消しあう方法です。

○セミアクティブ制震

振動が発生に応じてセンサーが作動し、強い振動に対して機械や構造物に取り付けた制震機能が働く方法です。一般には、電磁力の作用によるダンパーや摩擦や遮断によて振動を低減するダンパーなどが用いられます。

○パッシブ制震

センサーやコンピューターを用いずに、材料や機構の特性で振動エネルギーの吸収をはかり、制震する方法です。法隆寺の五重塔などの心柱は、もちろんパッシブ制震です。