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43条1項ただし書き:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12077739088.html
今回は、土地の増減価要因の話です。
建築基準法43条1項は、「建築物の敷地は、道路(略)に二メートル以上接しなければならない。」と規定しています。いわゆる接道要件というものです。
さて、今回話題にするのは、それに続く次の規定です。「ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。」
この規定(43条1項ただし書き)をそのまま読むと、建築物の敷地の周りに例えば公園のような土地がある場合のことだろうか、と思われるかもしれません。
しかし、私が出会った事例は、道路状の空地のみです。説明しましょう。ある土地が道に接していますが、その道は幅が4mありません。建築基準法の規定では、道路の幅は原則として4m必要ですから、これでは道路にはなりません。
ところが、この道が建築基準法の道路に接していれば、この道が「空地」になることがあるのです。この道が「空地」になるためには、道路と同様にセットバックが必要です。そうすれば、建物を建てることができます。
この「空地」のことを「ただし書き道路」と言うことがありますが、これは誤りです。あくまで「空地」であり、道路ではありません。
これでは、セットバックが必要な2項道路と同じに思われます。ところが、大きな違いがあります。以下の理由により、「空地」に接する土地は道路に接する土地と比べて減価が発生します。
その一つが、建築制限です。例えば、東京都の一括審査による許可同意基準では、基準3-1・3-2で「建築物は地上が2階以下で、かつ、地階は1階以下とする専用住宅又は二戸長屋を計画するもの」とし、共同住宅は建築できないとしています。用途に制限があるのです。
もう一つは、上記東京都の基準3-1・3-2の図で、「空地」が道路に接するところの敷地もセットバックを必要としていることです。この敷地は、すでに接道要件を満たしていますので、その所有者はセットバックを受け入れるとは思えません。奥の方の土地は、おそらく建築不可でしょう。建築不可では、価格は大幅に下がります。
東京都の一括審査による許可同意基準は、下記のURLでお読みください。
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/kijun/kijyun1.htm