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立退料の評価(法人税申告):不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12829230970.html


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│1│ 今回の評価実例:立退料の評価(法人税申告)
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価格や地代・家賃だけではなく、立退料を求めるにあたっても不動産鑑定評価が活用されます。

ある個人の方が所有する土地・建物が、市街地再開発事業のため自治体に買収されることとなりました。

その土地・建物は、その個人の方が経営する法人に賃貸されています。法人に対して立退料を支払わなければなりません。立退料は借家権の価格として求めます。

個人が自分で経営する法人に対して立退料を支払うのですから、いいかげんな金額では税務調査で否認される恐れがあります。そこで、今回の依頼となりました。

土地・建物の価格やその法人の経営状況をもとに評価しました。

申告後、税務調査はありません。無事、是認された模様です。


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│2│ 不動産鑑定評価の知識:固定資産税評価
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固定資産税における固定資産は、「土地、家屋及び償却資産を総称する(地方税法第341条第1号)」とされています。

不動産鑑定評価が活用されるのは、土地の価格です。その「価格」とは、「適正な時価をいう(地方税法第341条第5号)」とされています。

固定資産税の課税標準額は、原則として市町村長決定します。その際、市町村長は、総務大臣が定めた固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続(固定資産評価基準)によって、固定資産の価格を決定しなければならないとされています。

さて、固定資産税評価における宅地の評価は、固定資産評価基準に基づき市街地的形態を形成する地域にあっては路線価方式(市街地宅地評価法)、その他の地域にあっては標準宅地の評価額に比準する方式(その他の宅地評価法)によって評価額が算出されます。

固定資産税評価額は、3年に一度評価替えが行われます。

1991年1月に閣議決定された土地政策推進要綱で、「速やかに、地価公示価格の一定割合を目標に、その均衡化・適正化を推進する」こととされました。1994年度評価替えから、固定資産税宅地における7割評価の方針が打ち出されました。

具体的には、1992年1月の自治事務次官依命通達の一部改正において、地価公示価格、都道府県地価調査価格及び不動産鑑定士による鑑定評価価格の一定割合を目途とし、「当分の間この割合を7割程度とする」ことが明記されました。

その後、固定資産評価基準の一部改正(1996年)によって、「宅地の評価において、標準宅地の適正な時価を求める場合には、当分の間、基準年度の初日の属する年の前年の1月1日の地価公示価格及び不動産鑑定士による鑑定評価から求められた価格等を活用することとし、これらの価格の7割を目途として評定するものとする」という措置が講じられました。


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│3│ 編集後記
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新・無名人語録(永六輔)より

「話をする政治家はいくらでもいるよ。
 話を聞く政治家はいくらもいないよ」

本当にそうですね。聞く力があるはずの総理大臣は、一体何者なのでしょう。