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造成地と軟弱地盤:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12173267024.html

今回のテーマは、地盤と安全な土地です。

きれいに区画割りされ建物が整然と建ち並んだ造成地は、地盤が悪いようには見えません。しかし、それでも軟弱地盤が潜んでいることがあります。

①畑や雑木林が宅地化された場合
畑地は比較的良好な地盤が多いようです。種類にもよりますが、作物は湿気の多い土地よりも、水はけのよい適度に乾いた土地を好むからです。

雑木林だった土地も地盤としては良好です。しかし、注意すべきは樹木の伐採方法です。

伐採しても根を抜かないと、根はいずれ腐って土が空洞になります。根伐りしても、根の深さまで土が鋤き返されて、土が軟らかくなっていますので注意が必要です。

悪質な業者は、切り倒した樹木を敷地内に埋めてしまうことがあります。そうすると、いずれその樹木が腐って地中に空洞ができてしまいます。

計画建物の基礎の位置くらいは、鉄の棒を差し込んで確認したいものです。

②水田が宅地化された場合
水田を造成するときは、土を盛ります。通常は造成工事の開始まで時間をおいて水を抜きます。

しかし、中にはいきなり擁壁を作って盛土を施すことがあります。もとが水田なので、その下には軟弱層があります。

このような場所では、建物を建てる前から盛土の荷重だけで沈下が進行しています。

③もともと傾斜地だったところをひな壇状に造成した場合
高台の斜面に住宅を建てることがあります。斜面をそのままにして建物を建てるわけにはいきませんので、一般にはひな壇状に段切り造成します。

曲者なのが擁壁です。鉄筋コンクリートL字型直擁壁の場合は、土を止める壁スラブの背面は必ず盛土になります。建物が擁壁寄りに配置されれば、盛土の真上に建てられることになります。

擁壁がしっかりと築かれていればいいのですが、擁壁自体が沈下したり前方にせり出したりするようなことがあれば、建物にも被害が及ぶことになります。

特に北斜面の造成地では、慣例的に南側を庭にして建物は北に寄せる配置が普通ですので、建物のましたが擁壁沿いの盛土地盤となり、より危険度が増すことになります。