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道路より高い土地:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

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建物の敷地と接面道路とは、高低差がないのが通常です。しかし、中には道路よりも高い土地があります。この場合の土地価格はどうなるのでしょうか。

住宅地の場合は、道路より高い位置にある土地は日照に優れ、風通しや排水が良いのが一般的です。見通しやプライバシーの点からも快適性に優れています。

また、宅盤よりも低い部分を駐車場として利用できるため、敷地内にわざわざ駐車スペースを確保しなくてもよいというメリットもあります。

このため、地盤が道路面よりある程度高い場合は、むしろ増価要因となります。

しかし、一定の高さ(地域によって程度の差があります)を超えた場合、出入りが不便になり、反対に減価要因の方が強くなります。中には、玄関と道路との間に階段を設けているケースもあります。建築工事費が割高になることもあります。

一般財団法人資産評価システム研究センターが行った調査研究では、これらの他に減価要因として「擁壁の劣化による崩壊の危険性」「擁壁設置による有効宅地部分の減少」「風あたりが強い」が挙げられています。

このように、住宅地については高低差は増加要因として働くものもあれば減価要因として働くものもあります。したがって一概には割り切れませんが、総じて住宅地では一定の高さの範囲内では増価要因となり、これを超える場合には減価要因になる傾向が強いといえます。

商業地は、住宅地と異なり快適性よりも収益性の観点から価格が形成されます。

宅地が接面道路より高い位置にあると建物への出入りが不便になり集客力が減少するため、この観点からは減価要因となります。

また、道路間に段差があれば商品の搬出入も不便になり、商業地としての効用もそれだけ減少します。

ただ、なかには建物の配置・設計等により外観・グレード・宣伝効果に好影響を与える場合もあり得ます。したがって、個々の状況により判断することとなります。