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広大地より上がる評価額:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12363616108.html

広大地と比べて、「地積規模の大きな宅地評価」は適用できる土地の範囲が広がったといえます。

では、肝腎の評価額はどうなるのでしょうか。広大地による評価額と比較してみましょう。

月刊 税理2017年9月号で、税理士・不動産鑑定士の下﨑寛氏が試算しています。

想定画地条件1…整形地の場合
○東京都23区内の普通住宅地区に所在する宅地
○間口・奥行については、整形地の画地のもの
○奥行価格補正率は、改正後のもの
○側方路線加算率・二方路線加算率なし
○間口狭小・奥行長大による補正率なし
○相乗積は、小数点以下第2位未満を切り捨て

┌─────┬───┬───┬──┬───┬───┬────┬───┐
│ 想定画地 │   │ 現行 │奥行│不整形│ 規模 │ 補正率 │ 増価 │
│     │  │広大地│価格│補正率│ 格差 │ 相乗積 │ 割合 │
├──┬──┤ 地積 │補正率│補正│ │補正率│ │  │
│間口│奥行│ (㎡)│   │ 率 │  │   │②×③×│   │
│(m)│(m)│   │ ① │ ② │ ③ │ ④ │④=⑤ │ ⑤/①│
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 25 │ 20 │ 500│ 0.575│1.00│ 1.00 │ 0.80 │ 0.80 │ 1.39 │
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 40 │ 25 │ 1,000│ 0.550│0.97│ 1.00 │ 0.78 │ 0.75 │ 1.36 │
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 40 │ 50 │ 2,000│ 0.500│0.89│ 1.00 │ 0.75 │ 0.66 │ 1.32 │
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 60 │ 50 │ 3,000│ 0.450│0.89│ 1.00 │ 0.74 │ 0.65 │ 1.44 │
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│100 │ 50 │ 5,000│ 0.350│0.89│ 1.00 │ 0.71 │ 0.63 │ 1.80 │
└──┴──┴───┴───┴──┴───┴───┴────┴───┘

整形地の場合の「地積規模の大きな宅地評価」に基く評価額は、広大地による評価額の約1.4倍~1.8倍となりました。整形地の評価額が高くなることがわかります。

想定画地条件2…不整形地の場合
○東京都23区内の普通住宅地区に所在する宅地
○間口・奥行については、不整形補正率の最大値を採用
○奥行価格補正率は、改正後のもの
○側方路線加算率・二方路線加算率なし
○間口狭小・奥行長大による補正率なし
○相乗積は、小数点以下第2位未満を切り捨て

┌─────┬───┬───┬──┬───┬───┬────┬───┐
│ 想定画地 │   │ 現行 │奥行│不整形│ 規模 │ 補正率 │ 増価 │
│     │   │広大地│価格│補正率│ 格差 │ 相乗積 │ 割合 │
├──┬──┤ 地積 │補正率│補正│   │補正率│ │ │
│間口│奥行│ (㎡) │   │ 率 │   │   │②×③×│   │
│(m)│(m)│   │ ① │ ② │ ③ │ ④ │④=⑤ │ ⑤/①│
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 25│ 20│ 500│ 0.575│1.00│ 0.65 │ 0.80 │ 0.52 │ 0.90 │
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 40│ 25│ 1,000│ 0.550│0.97│ 0.70 │ 0.78 │ 0.52 │ 0.94 │
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 40│ 50│ 2,000│ 0.500│0.89│ 0.70 │ 0.75 │ 0.46 │ 0.92 │
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 60│ 50│ 3,000│ 0.450│0.89│ 0.70 │ 0.74 │ 0.46 │ 1.02 │
├──┼──┼───┼───┼──┼───┼───┼────┼───┤
│ 100│ 50 │ 5,000│ 0.350│0.89│ 0.70 │ 0.71 │ 0.44 │ 1.25 │
└──┴──┴───┴───┴──┴───┴───┴────┴───┘

このように、不整形補正率を最大限適用すると、旧広大地補正率の数値とほぼ同じになります。

すなわち、広大地が適用できた土地について「地積規模の大きな宅地評価」を適用すると、ほとんどの場合に評価額が高くなることになります。


 編集後記
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死ぬまでボケない智恵(永六輔著)より



「シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ …そうか屋根が飛ぶような台風の最中にシャボン玉を飛ばしたのか…」

台風のさなかでシャボン玉が飛ぶ?飛行機ですら飛ばないのに?