雨漏りのする住宅:嶋内雅人のブログ|新着情報

NEWS

TOP > 新着情報 > 雨漏りのする住宅:嶋内雅人のブログ

雨漏りのする住宅:嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12814541446.html

住宅の欠陥で一番困るものは雨漏りでしょう。雨漏りする住宅についての判決です。

◎事件の概要
Xは、宅地建物取引業者の媒介によって、築後6年の中古住宅を6,450万円で買いました。ところが、購入後3か月経って2階の天井から雨漏りがしました。

そこでXは、その業者と売主に対して損害賠償を請求しました。売主は築後6年経過しているので、宅地建物取引業法40条に規定する2年も保証期間の特約があるために、これに応じないと主張しました。
(札幌地判平8.5.27)

◎判決
中古住宅が通常備えるべき性能・品質がなく、修理に必要な費用として65万円の支払いを売主に命じました。

◎解説
雨漏りは住宅にとって致命的な欠陥です。裁判所は、「住宅にとって雨露を防ぐのは最も本質的な機能である」として、「雨漏りは瑕疵にあたる」としました。

この瑕疵については、宅地建物取引業法40条は次のように規定しています。売主の瑕疵担保責任です。

第四十条 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法第586条に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。

この条文は、宅地建物取引業者が売主となる不動産の売買契約においては、その不動産の「引渡しの日」から2年以上の特約の期間は、不動産の瑕疵について責任を負うというものです。

この事件では、築後6年を経過していたので、引渡し後2年の保証期間を4年も超過していました。

しかし、裁判所は「建物には、補修の形跡がある」「売主は、雨漏りの事実を知っていたと認められる」として、同法40条の特約をもって「瑕疵担保責任を免れる」ことはできない」と判じしました。

◎不動産鑑定の見地から
補修費用の支払いを命じたのは、納得できます。本来有するべき状態に復旧させるための費用だからです。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


2022年の出生数が80万人を割り込みました。統計を取り始めた1899年以降で初めてで、想定よりも8年早かったとのことです。





これを受けて、あわてて子ども予算を倍増すると政府は言い始めています。ただ、今から始めても、効果が出るのは二十数年先です。

そもそも、何もやらないのかもしれません。それが伝統ですから。