実地調査:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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今回のテーマは、地盤と安全な土地です。
マイホームを選ぶ際、地盤が安全かどうかを調べるためには、現地に足を運ぶことは欠かせません。
まず、その土地に立って周りを見回しましょう。最初にチェックするのは、自分が立っているところより高い場所があるかどうかです。左右に高い場所があるときは、その土地は谷底であることになります。
谷には、周辺の山から運ばれた土砂や落ち葉等が溜まって、軟弱な地盤が作られます。もちろん、水も高いところから低いところへ流れますから、谷底には水の流れがあることでしょう。
大きな流れは、川や水路になっているのですぐわかります。しかし、小さな流れは地下水になったり、雨が少ない時期には干上りますから、見つけづらいものです。
また、小さい流れの中には、過去の地滑り・洪水・土砂堆積などが原因で、出口がふさがれているものがあります。これを、溺れ谷といいます。溺れ谷には湿地となった超軟弱地盤が堆積していますので、宅地として利用するためには、地盤改良が必要です。
谷底は、以上のような問題がありますが、谷の頭頂部はどうでしょうか。意外とすべりやすいものです。
日当たりがよく乾いた地盤ですので問題はなさそうですが、斜面の勾配が一番きついのが頭頂部です。谷の頭頂部の土地を購入するときは、地滑りがおきないように、造成地全体がどのように地盤補強されているのか、確認する必要があります。
土地の用途にも着目しましょう。畑や果樹園は安定した地盤だと言われます。
他方、水田は湿地のイメージがありますが、正しく地盤補強をすれば、宅地化することは十分に可能です。なぜなら、水田には稲を育てるための水を溜める機能がある一方で、水を送らなくなると素早く排水できるだけの水はけのよさが求められるからです。
このように水田は、通常は軟性土で、ある程度掘ると水はけのよい砂質土が出てきます。しかし、問題は元が沼などの湿地帯だった場合です。沼は軟弱地盤が深くまで続きます。地盤補強をするのが難しいですので、宅地としてはさけるのが無難です。