借地権価格:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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今回は、土地の増減価要因の話です。
以前、土地の増減価要因の話題として底地価格を取り上げました。
底地とは、借地権の付着している土地の所有権のことをいいます。底地の所有者は地代を受け取り、借地権者は地代を支払ってその土地を利用します。今回は、その借地権価格について取り上げてみます。
まず、借地権とは「建物の所有を目的とする地上権又は賃借権」です。ただし、借地権には地上権よりも賃借権のほうが多く見られます。
また、地上権は地代の支払いを要件としていません。そこで、この賃借権の内容によって賃借権の価格がどうなるのかみてみます。
更地であれば、更地の所有者がその更地を利用する場合には、都市計画法・建築基準法等の法律に従えば問題ありません。
ところが、賃借権の場合はそう簡単ではありません。都市計画法等の法律にしばられるのはもちろん、賃貸人(底地所有者=地主)と賃借人との間の契約内容にも拘束されます。
土地の上に建物を建てて賃貸する場合は、更地であればその費用に固定資産税・都市計画税が計上されます。賃借権の場合は、これらのかわりに地代が計上されます。
地代は、地主と賃借人との交渉できまります。ですから、交渉の結果である地代が高ければそれだけ費用も多くなり、収益は少なくなります。得られる収益が少なくなるのですから、借地権価格も低くなります。
また、賃貸借契約にあたっては建てられる建物に条件がつけられることもあります。例えば、5階建ての建物が建てられる地域なのに、2階建てまでしか建ててはならないというような場合です。階数が低ければ得られる収益も少なくなります。やはり、借地権価格は低くなります。
借地権には契約期間があります。契約期間が満了しても借地権は更新されますが、その場合には借地権価格の5~10%の更新料が支払われるのが取引慣行になっています。
契約期間が短ければ更新料を支払う間隔も短くなり、それだけ多額の更新料を支払うことになります。この場合も、借地権価格は低くなります。