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接道義務を満たさない土地2:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ

https://ameblo.jp/daigotukune/entry-12831839307.html

接道義務を満たさない土地の減価要因について考える2回目です。

まずはじめに、ある土地に建物を建てようとすると、その土地が建築基準法の道路に原則として2m以上の幅で接していなければなりません。これを接道義務といいます。

下の図のような間口の狭い土地があり、間口の幅が2m未満であるとします。2m未満ですから、接道義務を満たしません。

─────────────────
       道路
      2.0m
───┬───┬┬────────
   │   ││
   │   ││
   │   ││←買収部分
   │   ││
   │    ││
   │   ││
   │    └┴─────┐
   │           │
   │           │
   │           │
   │          │
   │   対象地     │
   │ (現状の間口が  │
   │  2m未満)    │
   │           │
   └──────────┘  

接道義務を満たさない土地には、建物を建てることができません。ですから、現状のままでは資材置場や駐車場以外の利用方法はありません。

このような土地の価格を求めるにあたっては、次のような考え方をすることになります。

まず、道路に2m接するとした場合の路地状敷地の価格を求め、次に接道義務を満たすために要する拡幅対象面積に相当する買収費用や工事費用を控除することになります。

これを数式で表すと、次のようになります。

接道義務を満たさない路地状敷地の価格

=接道義務を満たす(道路に2m以上接する)路地状敷地の価格-取付道路用地買収費用-取付道路の工事費用

ただし、土地買収費用は対象地と同じ道路に接する標準的な土地の価格とはなりません。

市場に供給されている売り物件を買うのではなく隣接地を買うことになり、隣接地の所有者がいつでも売却に応じてくれるとは限らないからです。

また、売却に応じてくれたとしても、残った土地の利用価値が低下するのであれば、残地補償の費用も必要になります。

さらに、隣接地の所有者にとっては、もともと売却物件ではない土地を予期しえない事情によって売却を検討せざるを得ない状況になります。それゆえ、接道義務を満たさない土地の所有者は、その買収に要する期間や実現の可能性の
程度も考慮に入れなければなりません。

これらの要素は、明確には数値化できません。それだけ、接道義務を満たさない土地の価格は、接道義務を満たす土地の価格に比べて大きく低下するものだといえましょう。


■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………


このメルマガも今回で200号になりました。初回が2014年5月11日ですので、一次休止を挟みながら9年7カ月でやっとたどり着きました。

始めたきっかけは、はじめのところにあるように名刺交換をしてそれっきりでは、あまりにもったいないからです。せっかくの出会いがあったのですから、末永くお付き合いをお願いしたいと思ったからにほかなりません。

これからも発行し続けるつもりでおります。変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

とまあ、型通りご挨拶は以上のとおりです。読者の方とお話しすると、「スクロールして、まず編集後記を読む」という声をよく聞きます。プレッシャーが強まっている今日このごろです。