区分地上権:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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都市部はもちろん都市の周辺部でも、土地の地中を鉄道が通っていることがあります。このような土地の価格はどうなるのでしょうか。
このような場合には、その土地の登記簿の権利部(乙区)に区分地上権設定登記がされていることが多くあります。区分地上権とは、地下や土地上の空間の一定の範囲を目的として設定される地上権のことです。
地中に鉄道が通っている場合には、例えば概略次のように登記されます。
目的 鉄道敷設
範囲 東京湾平均海面の上○○メートルから東京湾平均海面の上△△メートルまで
存続期間 設定の日から鉄道構築物存続中
地代 無料
特約 鉄道構築物にかかる建物、工作物等の荷重は、建物、工作物等の基礎底面において1平方メートルにつき8トン以下とすること
区分地上権が設定されることにより、その土地上に建物の建築ができなくなるわけではありません。
しかし、地下の鉄道構築物にかかる建物・工作物の荷重について制限が加えられる結果、建物の構造や建築可能階数等に影響を与える場合があります。
区分地上権が設定されている土地は、以上の点について減価要因があります。そして、その減価に相当する分については事業者から土地所有者に対して、補償金という形の一時金が支払われるのが通常です。
では、減価の程度はどうでしょう。
地上建物の荷重が制限されるのですから、十分な高さの建物が建てられない場合があります。その土地が住居系の用途地域に存する場合には容積率が低く、もともと高い建物が建てられないため、大きな減価にはならないでしょう。
しかし、商業系の用途地域に存する場合には、容積率が高く高層の建物が建てられる可能性があるので、大きな減価となるでしょう。
また、土地のどの部分に鉄道構築物があるのか、それも問題です。
土地の端をかすめる程度でしたら、大きな減価にはならないと考えられます。
しかし、土地の中央に線路が通る場合には、その部分の建物は高さに制限が加わるものの、それ以外は制限が加わらないため奇妙な形の建物となります。
この場合には、建物全体を低くした方が建物の利用効率・建築費の点でも有利になり、建物の延面積が小さくなります。それだけの減価が発生します。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
夏休みには、実家に帰りました。
ふと思いつきました。実家に帰る。文句を言う妻がいない。くさやを食べられる。
なぜ、もっと早く気がつかなかったのでしょう。悔やまれます。
静岡方面に出張する機会がありました。評価対象不動産について市役所で調査をするために、熱海駅で下車。そのついでに、くさや等の干物を買いました。
帰り道、実家に直行します。母には、くさやを買った旨、日本酒を用意しておいてほしい旨を、携帯メールで連絡しておきます。
さて、いよいよくさやです。実家には、母のほか近所に住む妹も来ています。
妹は、「くさや、いいねえ。子どもたちにもにおいをかがせたい」と言っています。居心地がいいこと。
くさやは母が焼いてくれました。焼きあがりは、あまりにおいがしません。あれっと思いましたが、口に運びます。間違いなく、くさやです。うまい。
母も妹も、うまそうに食べています。もっと買ってくるのだった。
いやー、実家に帰る楽しみが一つ増えました。次は正月かな。待ち遠しい。