斜面地盤:不動産鑑定士嶋内雅人のブログ
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都市部に人口が集中する現象は、今も変わりがないようです。
都市部を中心としてドーナツ状に宅地が開発され、農地や丘陵地であったところが、宅地になっていきました。中には、乱開発というべきものとみられます。
そのような造成地の中に傾斜地があります。傾斜地は、一般的には建物を建てるには不向きです。
仮にそのまま建物を建てるとすると、基礎のうち斜面の下の方の部分を長くする必要があります。足が長い状態になり、足元はもろくて不安定になります。
このような建物は、別荘によくみられます。
丘陵地や斜面地を宅地に造成してできた地盤には、斜面を削り取って平らにする「切土」の地盤と、斜面に土を入れて平らにする「盛土」の地盤があります。
斜面が急であればあるほど、切土を深くしなければならないため崖地になりやすく、盛土をするには多くの土を必要とします。
切土は地盤が自然のままで、人の手が加えられるのはわずかですので、地盤は比較的安定しています。
逆に、盛土は斜面に土を載せている状態ですから、土がしまっていません。十分突き固めたつもりでも、なかなか土が落ち着かず、完全に落ち着くまでには数十年かかるともいわれます。
その間は、地盤は軟らかいのですから、建物が傾いたり沈下したりすることがあります。
急斜面であるほど、盛土が崩れないようにする擁壁が必要になります。その擁壁が高くなると、崖崩れの危険が生じます。
さて、地盤が軟らかいと地震による揺れが大きくなり、それによって建物が傾いたり、沈下したりする危険があります。
東日本大震災のときは、仙台市郊外の新興住宅地で、道路に亀裂が入ったり斜面が崩壊するなどの被害がありました。これらの地域は、丘陵地に切土・盛土をして造成したところです。
被害にあった人は、地震で家を失うだけではなく、土地すらも失ってしまいました。
なお、軟弱地盤とは地耐力が5トン以下の土地をいいます。地耐力とは、1㎡の地面が何トンの力に耐えられるかを示したものです。
■編集後記■━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………
年末です。寒くなってきました。また、どうもあわただしく一日が過ぎていきます。
私は日本酒党で、もっぱら冷やで飲みます。でも、寒い時期には燗酒もまたいいものです。
その場合は、やはり鍋でしょうか。鍋をつつきながらの燗酒。キーボードを叩いているだけで、飲みたくなってしまいます。
この忙しい時期でも、自宅で燗をつけるくらいの時間はほしいものです。
忙中燗あり、と。ん?閑だったかな?